「育児の”このとき”を大切に」|『ふれあいの森』  井口由美さん・佐藤真由美さん

ふれあいの森

  (写真左:井口由美さん 右:佐藤真由美さん)

おおぞら保育園の子育て支援センター『ふれあいの森』は、桐生市新里町の小高い場所にあります。緑ゆたかな山々を一望でき、自然の空気を胸いっぱいに吸い込むことができるところです。

そこへ足をはこぶと、スタッフの井口由美さんと佐藤真由美さんがにこやかに迎えてくれます。

「お母さんたちを応援している、と伝えていきたい」と話す井口さん。片付けの時間でも、遊んでいる楽しい気持ちを大切にしたいから「片づけはできるだけでいいよ」と優しく声かけをする佐藤さん。

『ふれあいの森』はおふたりの温かい心づかいに、気持ちが安らぐ場所です。

活動内容を教えてください。

『ふれあいの森』では、自由遊びや育児相談ができます。
また、週1回ほどの頻度で、料理教室・ベビーマッサージ・英語で遊ぶ時間などをつくっています。とくに好評だったのは、給食試食会や虫除けスプレーづくり、それから味噌づくりです。

『ふれあいの森』の特色は何ですか?

緑が多いので、自然を感じながら子育てができます。

それから、ここは自由度が高いかなと思います。たとえば片付けの時間でも、無理に「させる」ということはしていなくて……。その子の楽しい時間を奪わないように、次の活動の雰囲気を感じてもらいながら、少しずつ片付けを身につけられれば、それでいいと思っているんです。

どんなママが『ふれあいの森』に来ますか?

まず、「自然を感じながらのびのび子育てをする」という、ここと同じ想いのママが見えます。
自分の特技をいかして活動するママもいますよ。先日はボイストレーニングを積んだママと、みんなで歌を歌ったりしました。

なかには、ついスマホやおしゃべりに夢中になってしまうママもいます。育児の時間を大切にしてほしいと思っているので、「○○ちゃん、高いところにいて危ないよ」などと、お子さんに気持ちがいくような言葉をかけるようにしています。

 

育児相談では、どんな相談を受けますか?

偏食、オムツはずし、言葉の発達、仕事復帰……さまざまな悩みがあり、ときには深刻な悩みもお聞きします。外出がむずかしい方のための訪問事業も行っていますが、訪問先で1時間ほども話をしたことがあります。

私たちはカウンセラーではないから、大したことはできないのかもしれません。でも、ママたちに「私も育児中、毎晩ビール片手に星空みて、涙ながしてたよ」と話すと、「先生もですか!?」と言われたりして……。「話すだけでも心が軽くなるのかな」と感じていて、そういう場にしたいと思っているんです。

「ついイライラしてしまうんです」と悩むママに、「でも去年と比べるとお子さんができること、ふえたでしょ? 『待つ』・『見守る』のカードを使ってみるのもいいかもしれないね」と話したことがあります。その後、晴れやかな顔で「先生わかったよ」と報告してきてくれたときは、すごく嬉しかったですね。

ふれあいの森

ママたちに伝えていきたいことは?

(井口さん) 育児って、じつは長くないですよね。「その時期を大切にしてね。後悔のない子育てをしてね」と伝えていきたいです。

それから、ママたちがもっとパパに優しいといいなと思っているんです。働くママも多いけれど、パパが外で頑張ってきてくれるから、ゆったりと子育てができるという面がありますよね。パパをうまく立てたり、頼りにしたりしてほしいなと思います。そして、パパたちには「ママにスイーツでもプレゼントしてみたら? ママの気持ちが全然ちがうよ」と伝えているんです(笑)

 

(佐藤さん) よく「今がいちばんいい時期ね」なんて声をかけられると思います。でも、毎日大変で「何がいいんだろう?」と思うかもしれません。こういう場に足をはこぶことで、子育てを楽しんでもらえたらと思います。お子さんをぎゅっと抱きしめる時期があるから、お子さんは安心してママから離れていけるし、「たくさん抱きしめたから、この先もきっと大丈夫」とママの自信にもなると思っています。かえってこない育児の”このとき”を大切にしてもらえたら嬉しいです。

おおぞら保育園  子育て支援センター『ふれあいの森』

ふれあいの森

【住所】桐生市新里町関548-4

【電話番号】0277-74-0334 / 0277-74-6656

【開放日時】月~金曜日 9~16時 (午後は相談事業) / 土曜日 8~13時

※育児相談は、電話(月~金曜日 13時30分~16時)、家庭訪問でも受け付けています。

【対象】0歳~就学前のお子さんと、ママ・パパ・おじいちゃん・おばあちゃん・プレママ

【Mail】oozora55@silk.ocn.ne.jp

【Webサイト】http://www.suginoko-oozora.com/

 

取材 ・ 文  /  岩佐 めぐみ