夏休みといったら、普段はできない遊びにチャレンジするよい機会! この夏、何をしようかなとワクワクしている子も多いのではないでしょうか。
自然の中で水の冷たさを感じられる川遊びは、暑い夏にピッタリの遊びです。今回は様々な自然体験プログラムを実施している「チャウス自然体験学校」の加藤さんに、川遊びの楽しさと安全な過ごし方を伺いました。
川遊びの醍醐味・楽しさとは?
「川遊びの魅力はやはり自然に触れられることですね。川の生き物たちや、水の流れなどを自分の目で見て、触れて体感することができるのは川遊びならではの魅力です。特に桐生は山も川もある自然豊かな地域なので、川遊びを通じて子どもたちに自然の面白さを知ってもらいたいです。」
たしかに桐生は山に囲まれていて、桐生川と渡良瀬川というふたつの川が流れています。
自然に触れることのできる場所がこんなに身近にあるということは、桐生の自慢のひとつかもしれませんね。
川遊びを安全に楽しむために大切なこと
「とても楽しい川遊びですが、川は危険な場所であることを忘れてはいけません。人は10センチの深さの水があれば溺れるといいます。川遊びに限ったことではありませんが、様々な危険に備え、リスクマネジメントをしっかりと行うことが大切です。」
加藤さんに、川遊びで注意するポイントを教えていただきました。
①ライフジャケットは必ず装着しよう!
川遊びをするときはライフジャケットを着用しましょう。浅瀬で遊んでいても川の流れに足を取られたり、苔で滑って流されてしまうなど思わぬ危険が潜んでいます。思った以上に水深の深い場所もたくさんあるので、大丈夫だと過信せず、子どもだけでなく大人もライフジャケットを着用して思う存分川遊びを楽しみましょう!
ライフジャケットはアウトドア用品を多く取りあつかうホームセンターやネットでも購入できます。身体の大きさや体重に合わせたサイズを選んで着用しましょう。川遊びを計画するときにはチェックしてみてください。
②最初は浅瀬の川遊びから始めよう!
水に慣れていないのにいきなり深い川に飛び込んだり、流れが急な場所で遊ぶのはとても危険です。まずは浅瀬での川遊びから入り、子どもの発達や成長に合わせ段階を踏んで川遊びをしましょう。すこしでも子どもが不安がっていたら、川に入らせない判断も大切です。
③大人も一緒に遊ぼう!
子どもを川で遊ばせるときは、必ず大人も一緒に水に入って遊びましょう。岸から見守るだけでは気付かない危険(水温、流れの強さ、沈み石、川底地形など他)に気付くことができます。
また、水の中に長時間入っていると低体温症(夏場でも起こります)になり命の危険に関わる恐れもあります。子どもは遊びに夢中で気付かない内に身体が冷えていることがあるので、大人が声をかけてしっかり休憩をとるようにしましょう。
④子ども達だけでは絶対に行かない!
ある程度大きなお子さんだと、子ども達だけで川遊びに出かけたいと言い出すこともあるかと思いますが、水辺ではどんな危険・事故が起こるかわかりません。必ず大人と一緒に行くようにしましょう。
おすすめしたい桐生の川遊びスポット
①桐生川親水護岸
梅田湖の北側にある川遊びスポットで、公園になっていて近くにトイレなどもあります。桐生市青少年野外活動センターや梅田ふるさとセンターの近くです。
②小平の里親水公園
みどり市の小平川の清流で川遊びが楽しめる人気のスポットです。浅瀬で流れもゆっくりなので川遊び初心者でも遊びやすい場所です。
■小平の里
③利平茶屋森林公園キャンプ場
黒保根にあるキャンプ場のひとつで、近くを流れる鳥居川で遊べます。家族でキャンプやバーベキューを楽しみながら、川遊びができるおすすめスポットです。
④黒坂石バンガローテント村
みどり市東沢入の山間にあるキャンプ場です。すぐ近くを流れる渓流で川遊びができます。おすすめスポットの中でもとくに自然豊かな場所で、野生の動物に遭遇することも。川遊び中級以上の方におすすめです。
川遊びに行く前に見ておきたいサイト
出典:セーフティアウトドア
事故を起こさず安全にアウトドア活動ができるよう、安全管理に対しての意識を高める活動をしている団体のサイトです。川遊びに出かける前に是非チェックしてみてください。
川遊びを通じて自然の感覚を磨こう
「川遊びは安全に遊んでこそ楽しいものです。そのためには自然が怖いということを知っておくことも大切です。天気や川の水の量を気にかけるのはもちろんですが、自然に潜む危険はそれだけではありません。大人が一緒に川遊びに行くことで、川での楽しみ方と、どんな危険が潜んでいるのか教えてほしいと思います。
川遊びを通じて自然の感覚を磨くことで、子ども達が自分で安全管理をする力(生きる力)が育っていくのではないでしょうか。」
今回加藤さんにお話を伺い川遊びの魅力や安全に遊ぶための基本を教えていただき、もっと川遊びに興味が湧いてきました。川遊びはハードルが高いなと感じている方も、毎年行っているよという方も、この夏は是非、桐生の川で自然体験をしてみてほしいと思います。
もちろん遊んだ後にはゴミの持ち帰りをお忘れなく。きれいな川を守りましょう! マナーを守り、しっかりと安全対策をして川遊びを楽しんでください。
■加藤 正幸
チャウス自然体験学校(NPO法人チャウス)理事長・ディレクター
こどもから大人まで幅広い層を対象に、自然体験活動を行っている。自然の中での活動を通して、「人と人」「人と自然」「人と社会」をつなぎ豊かな心を育むことを目的に、様々なプログラムを企画している。
■チャウス自然体験学校