不審者対策だけじゃない! 防犯ブザーがつなぐ命のバトンとは

防犯ブザーを「防犯」だけのアイテムと思っていませんか?

「防犯ブザーの救急的活用」を提案するのは、桐生市消防本部職員の齋藤友善さん。

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救急現場にかけつける中、もっと早く急病人にたどりつけていたら、救急隊が到着する前に応急処置がほどこされていればと感じるケースがありました。一刻もはやく応急処置がはじまり、生存率が上がる・後遺症がのこらないようにするには、周囲の人の助けが必要です。

 

火災の発生を知らせる住宅用火災警報器があるように、急病人がいることを周囲に知らせる良い方法はないかと考えた齋藤さん。注目したのは「防犯ブザー」でした。

なぜ防犯ブザーなのか?

急病人には、一分一秒でもはやく応急処置を開始しなければなりません。
「音」で周囲に異変を知らせること、多くの人が急病人に気づくことは、すばやい応急処置や119番通報につながります。

 

防犯ブザーは、なんといっても操作が簡単!
ヒモを引っ張る・ボタンを押すという簡単な操作ができれば、小学生や、もっと幼い子だって、人の命を助けられるのです。

 

普及率の高さも注目したポイント。
齋藤さんが、職場内で小学生のお子さんがいる家庭にアンケートをとったところ、約8割の家庭が子どもに防犯ブザーを持たせているとわかりました。防犯協会やPTAより配布があったり、大手飲食チェーン店で「防犯笛」が配られるなど、社会のサポートが防犯ブザーや笛の普及率を高めているようです。

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「何かあったら」の前にできること

近隣住民とのコミュニケーションも大切と、齋藤さんは話します。
何かあったら防犯ブザーを鳴らすことをまわりの人にも知ってもらうことで、「音がなっている=救助を必要としている」と気づいてもらいやすくなるといいます。救急隊が到着するまでは、近くにいる人が大きな頼り。家族間だけでなく、周囲の人々とも合図を知らせあっておきましょう。

どんな場面で活躍が期待されている?

防犯ブザーには、「大きな音がなり続け、危険を知らせる」という特徴があります。

例えば、親子ふたりきりの空間でパパやママに何かあったときや、校庭やグランドなど、広い空間で助けを呼びかけたいときなど。119番通報にいたるまでに、はやく周りの人に気づいてもらいたい時に有効です。
また、集合住宅など、番地や住所が同じ家が密集している場合でも、119番通報によりかけつけた消防隊が、音を頼りに急病人のもとへたどり着くこともできます。

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命の大切さを考えるきっかけに

『少しずつでも、「音」が命をつなぐという認識が広がっていったら、救える命が増えるのではないか』と齋藤さんは話します。

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防犯ブザーの本来の役割は、身にせまる危険や犯罪を防ぐこと。
しかし、取材をとおして、持ち運びがしやすく馴染みのある防犯ブザーには、もっと多くの活用の場があるのではと大きな可能性を感じました。
「身に危険がせまったら、誰かが助けを求めていたら、防犯ブザーをならすんだよ」

これから防犯ブザーを渡すときは、一言足してみませんか?

 

*取材協力
齋藤友善(さいとうともよし)
桐生市消防本部桐生消防署消防課第2係
救急救命士の資格を持つ消防職員。
現在は特別救助隊として火災や救急、救助等の幅広い現場で活躍している。