今年度の「県消防職員意見発表会」で最優秀賞を受賞された、桐生市消防本部職員の英木宥佑さんにお話を伺ってきました。
「県消防職員意見発表会」とは、日々の業務に対する課題や提案などを自由に発表し、消防業務における知識を高めることなどを目的として開催されている発表会です。今年度で44回目で、桐生市消防本部の最優秀賞受賞は3年連続4回目。英木さんは今回が初出場です。
「救える命だったかもしれない」
発表に際し選んだテーマは、妊婦さんに対する乳児向け救命講習の必要性。「子供の急変時に、皆さんに自信を持って対応してもらいたいんです」と英木さんはいいます。このテーマを選んだ裏には、ご自身の体験がありました。ひとつめは、長男の急変時に慌ててしまい、消防士でありながらも冷静に対応ができなかったこと。ふたつめは、救急出動で子供の心肺停止の現場に立ち会った際、その子の家族が応急手当てをできずにいた結果、駆けつけた時には手遅れになり、命を救えなかったこと。
「なぜ妊婦さんなのか?」
出産後は育児の負担が大きくなり、思うように時間が取れないのが現状です。その点出産前なら、受講できる態勢が、出産後よりは整いやすいのではないか?と英木さんは考えました。「救命に対する意識が一番高まっている出産前に受けていただくことが大切だと思います。そういう時に学ぶことによって、より深く自分の中に(学んだことが)入っていくと思うんです。」
「実現へ向けての意気込み」
今後の展望としては、桐生市消防本部主催の救命講習を月1程度で開催し、妊婦さんご自身の体調と相談してもらいながら、タイミングのいい時に受講できるようにしていきたいとのこと。また、コロナ禍を鑑みて、オンラインでも受講できるような取り組みも検討しているそうです。
4月には関東大会があり、そこでの上位2名が全国大会へ出場できます。「上へ行けば行くほど皆さんへのアピールの場が増え、実現へ向けての可能性が高まると思っています。表現力を更に磨きつつ、本番では相手に伝えたいという気持ちを強く持って発表したい。応援よろしくお願いします。」
インタビューとお仕事の様子はこちらの動画で見られます。
✳︎取材協力
英木宥佑(えいぎゆうすけ)さん
桐生市消防本部桐生消防署