藤﨑さんは、小学1年生の男の子と、3歳の女の子のママです。昨年の6月から「ままのWAファクトリー」で、チラシやダイレクトメール(DM)制作のお仕事をしています。
今回お話をうかがいながら、「ラフ」とよばれるデザインの土台となるものも見せていただきました。趣向をこらし、丁寧にかきあげられたラフからは、お仕事にたいする真摯さや熱意が伝わってくるようでした。一目見て「このお仕事が、本当にお好きなのだな」と感じました。
ひたむきにデザインのお仕事とママ業にはげむ、藤﨑さんの想いをお聞きしました。
在宅の仕事は、クライアントさんと細やかにやりとりができるかが心配でした。「ままのWAファクトリー」では、スタッフさんの顔がわかり、しっかりとコンタクトもとれます。安心でき、そのことが後押しになりました。
はじめてつくったチラシを「いいですね!」と言っていただいたときは、嬉しかったですね。続けていく自信になりました。
日中は育児と家事、夜は仕事と決め、それぞれの時間がかさならないようにしています。
ただ、ラフをかくときだけは、いっしょにお絵かきをする感覚で、絵をかく子どものかたわらで仕事をしています。仕事と育児を兼ねられる部分があるのも、この仕事のいいところだと思っています。
もともと絵をかくのが好きでした。でも、出産を経て、何よりもまず子育てが優先、好きなことにかかわる時間なんてまったくない状態でした。
この仕事をはじめてみて、絵をかくのが楽しくて、好きで、好きすぎて「私、これ好きだった」と思って(笑)。すごく幸せな時間でしたね。
好きなことをがんばって「いいチラシだね」と言われるのは本当に嬉しいことです。
クライアントさんの要望をデザインで形にしていくわけですが、悩むのはデザインの土台づくりです。「初稿」と言われる、いちばん最初の原稿がありますが、その初稿が勝負だと思っています。
クライアントさんのぼんやりとしたイメージを形にするのが自分の仕事です。イメージが上手くつかめず、的外れにいってしまうと、二稿、三稿……と修正をかさねなくてはなりません。
初稿でOKをいただくと、思わず「やった!」となりますね。
わくわくして、「楽しそう!」、「参加してみたい!」と思ってもらえるようなチラシやDMをつくっていきたいですね。
それから、手がきの雰囲気が好きで、それを生かしたものをつくりたいです。既製のイラストやフォントもありますが、自分でかいたものをスキャンし、イラストレータ―で起こしてデザインすることが多いです。見た人が、ずっと手元に取っておきたいと思えるような……そんなチラシをつくれたらと思っているんです。
上の子が1~2歳のころ仕事に出ていたのですが、体調をくずしてしまった時期がありました。「無理をかさねると、自分にかえってくる」という苦い思いをしまして……。在宅での仕事をとおして、自分にあった仕事の”サイズ感”をさぐっていこうと考えています。家族の様子を見ながら、デザインの仕事も大切にしながら、ペースをつくっていきたいです。春から下の子どもが幼稚園に通いはじめます。少しずつ仕事をふやし、また、広げていけたらと思います。
取材 ・ 文 / 岩佐 めぐみ