【はたらくママ図鑑vol.10】うつわを作る暮らし|撫菜花工藝(なずなこうげい) 古川真紀子さん

透き通るガラスの向こうで、ひかえめに並ぶうつわ達。そおっとドアを開けると、「こんにちは」って、いつもやさしく迎えてくれる場所。

錦町商店街にある撫菜花工藝(なずなこうげい)は、古川元吾さん、真紀子さんご夫妻が営む、手しごとのうつわ屋さんです。

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取材日は次の作品展の準備に大忙し。机の上には、作業中のお皿が山積みでした。

「私たちもひと休みしたかったから」

そう言って手をとめて、お茶を淹れてくれた真紀子さん。静かな工房に響くのは、元吾さんが丁寧にうつわを削る音。

ここには、いつもとは違う時間が流れているように感じます。心までぽかぽかする、おいしいお茶でした。

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横浜の工房を閉め、制作の場所として選んだ桐生。出産と引っ越しが重なるという、激動の年でした。そんな人生の大きな転機を乗り越えられたのは「一人ではなかったから」。

それでも出産前後、体調はなかなか回復せず、つらい日々もありました。

「あの頃は笑えなかった」と話します。

 

愛娘のはなちゃんは4歳になりました。

制作と全国各地のイベント出店。百貨店からも声がかかるようになりました。多忙な毎日を支えてくれるのは、同居のご両親と、ご主人の元吾さん。

「子育ても主婦も、そんなに頑張ってないんですよ。みんなに助けてもらっています。感謝感謝」。

生まれたときから、ご両親の作るうつわに囲まれているはなちゃん。こむぎねんどで、よくコップやおさらを作って遊んでいるそうです。

「おおきくなったらこうぼうにいく」

はなちゃんのあこがれの場所は、おとうちゃんとおかあちゃんがはたらく撫菜花工藝です。

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「作りたいものを作っているだけなんです。これからも一生懸命作るだけ」

自然体でうつわを作り続ける穏やかな暮らし。作品をやさしく照らすガラス戸の光に、春が近づいていることを感じました。

 

【名称】撫菜花工藝 なずなこうげい

【住所】桐生市錦町2-4-5

【TEL】0277-46-6341

【定休日】水・日曜日、第5週

【HP】http://nazunakougei.jp