津田家は、わたしの実家で同居しています。嫁の実家には、母と兄がいます。
同じ桐生市内にいるのでしょっちゅう遊びに行きますが、気を遣わない、仲の良い関係を築けています。子どもたちも、「お町のばあちゃんちに行く!」と、泊まりに行ったりしています。わたし的に、嫁の実家は居心地良い場所です。理由はわかりませんが、自然にそうなりました。
それよりみなさんが気になるのは、現在同居しているわたしの親と嫁の関係……俗に言う“嫁姑問題”の話なのではないでしょうか。よく、「同居は嫌だ」とか「同居ならば結婚しない」と言う方もいます。気持ちはわかりますが、残念です。生まれながらに親の面倒をみる運命の人はいて、多くは長男と決まっています。これは、古い考え方かもしれませんが、その“長男”を好きになった時点で、「同居確定」だと腹をくくるしかないのではないでしょうか?
家庭にもよりますが、同居するかしないかは、親子のなかで結婚する前からなんとなく決まっていると思います。ただ、「なんとなく」ではお嫁さんも納得できないのは当たり前です。同居するかしないかは、結婚前に両親としっかり話し合い、お嫁さんとなる人にも伝えておくことが大切だと思います。結婚と同時に2世帯にリフォーム、という案も良いですね。
結婚するときから「同居だよ」と伝えていたわたしは、新婚から3年位はアパートにいましたが、その後実家に入りました。玄関・キッチン・お風呂など、全部共同の完全な同居です。
わたしは育った家なので居心地は良いですが、嫁はいろいろと大変だろうと思います。他人と毎日一緒で、常に気を遣っているように感じました。 それは、母親も同じです。結婚して15年経ちましたが、今でも変わらないように感じます。
そしてわたしは、いつの間にか板挟みの伝言役になっていました。それで良いと思っています。良くも悪くも、感情的にならず楽観的なわたしは、双方の意見をすべて受け止め、角が立たないように円満に伝えています。それもまた結構、面白いものです。やはり嫁が姑とうまくいくかいかないかは、夫の力量にかかっているところも多いと思います。「われ関せず」では、絶対にうまくいきません。
いろいろ大変なこともありますが、子どもの面倒をみてもらったり、何かとモノを買ってもらったり、おかずを作ってもらったり、生活面では良いこと・得することも多いのです。なので、協力し、助け合える場面では、大いに助けを求めたらよいと思います。「頼られている」「助けてあげられた」という実感が、最大の円満の秘訣かもしれません。
「どうすればじょうずに付き合えるだろう?」――これは十人十色、永遠のテーマ。親子や親友でさえ、長くじょうずに付き合うことは大変ですから。親と同居していようがしていまいが、できるだけ不満をためず、言いたいことを言い、笑って過ごせる毎日こそが幸せなのだと思います。
(ライター:津田貴久)