相生町で「木のおもちゃと手仕事屋かばんねこ」というおもちゃの専門店(とレンタルスペース)をしております、高橋と申します。良いおもちゃのこと、子どもたちの育ちのこと、楽しい遊びのこと…、少しづつお話させていただければと思います。今日は子どもとおもちゃのこと。
子どもが生まれると、当然のようにまわりの大人はおもちゃを与えますね。でも、おもちゃって、みなさんはどんなふうに選んでいますか?量販店の広い店内、大量に並ぶおもちゃたちの中から、何を基準に選ぶのでしょう。それは、箱に書いてある「対象年齢」だったり「子どもがぱっと見で欲しいと言ったもの」だったり「流行のおもちゃ」だったりしますね。「知育玩具」とされるものにも、こころ惹かれますね。だって、子どもには良いものを与えたいし、できればその子の力を引き出してあげたいと願うから。でもやっぱりおもちゃを選ぶときは「外箱に書いてある情報」しか得られないし、店員さんは頼れないし、その少ない情報からおもちゃを選ぶしかないのが実情です。
でも、0歳から1歳、2歳…、小学校に入る頃から、卒業するまで…、子どもたちはどんどん大きくなります。やってみたいことも、できることも、どんどん変わっていく時期です。体も、こころも、言葉も、あっという間に大きく、大きくなっていきます。できればその時その時の「今」、子どもの育ちや、やってみたいこと、できることにぴったりのおもちゃを、納得して選んで、与えてあげたいですよね。
ところで、その当の子どもたちは、どんなふうに育っていくと思いますか?
子どもたちが毎日していること…それは、「遊び」です。子どもたちはまるで「仕事」のように、朝から晩まで一生懸命に遊んでいます。手や口で物を調べたり、同じことを繰り返し試してみたり、汚れることもいとわず、体全体を使ったり、手指をこまやかに使ってみたり、モノを並べたり積んだり、分類してみたり。いろんなおもちゃや道具を使ってイメージの世界に遊んでみたり。友だちとのいろんなことばのやりとりや、感情のコミュニケーションも、たくさん。
じつは子どもたちは、そんな「遊び」を通じて、自分のいる世界のことや身の回りのことやモノを知ったり、何かを見つけたり気づいたり、そしてうまくいったり失敗したりの試行錯誤を繰り返しながら、自分ができることを知ったり、「できた!」の喜びを感じたり、「次はこうしてみよう」とワクワクしたり、さらなる挑戦の意欲を燃やしたりしているのです。イメージのあそびも、想像力やコミュニケーションの豊かな力を育んでくれますね。友だちとの感情の共有やぶつかりあいは、社会で生きる体験を、たくさんさせてくれます。
そんなすばらしい育ちの時期に、子どもの「自分で育つ力」を応援してくれる、育っていく子どもにぴったりの道具…「良いおもちゃ」たちが、子どもの身近なところにあってほしいなと私は思うのです。
子どもが体も心も豊かに育つことは親の喜びですし、願いです。私自身、子育てのときには良いおもちゃたちにたくさんの育ちの喜びをもらい、たくさん助けてもらいました。だからこそわたしも、たくさんのママとパパと子どもたちに、良いおもちゃがもたらしてくれるものをを伝えたい。子どもたちの「今」を一緒によく見て、その子にぴったりのおもちゃを選ぶお手伝いがしたい。
おもちゃは、子どもの暮らしのなかに無くても生きていけるけれど、無くても子どもはそれなりに遊ぶけれど、「今、その子にぴったりのあそびの道具があること」がもたらしてくれるものを一度でも感じたら、おもちゃという存在の意味が、きっととても重要になります。その体験を、子どもが小さい頃に、ぜひしてほしいな^^どのかたにも、わたしがそのお手伝いができたらと願っています。
ライター: 高橋美樹
あそびとおもちゃの専門店「木のおもちゃと手仕事屋かばんねこ」 店主
「おもちゃ」を通じて赤ちゃんからお年寄りまでの教育・福祉・医療にかかわる「おもちゃコンサルタント」の資格をもつ
日々笑い、また、日々子育てに悩む2児の母。