子育てにおいて、『子どもを信じて待つことは大切だ』とよく耳にしますが、なかなか難しいものです。待ってあげたい気持ちがあっても、日々の流れは決まっており、それをこなしていくにはどうしても「はやくして!いそいで!」と子どもをせかしてしまうことが多々あります。
しかし、ある講演会で「はやくしてと言って早くなった子はいない」という話しを聞き、納得したつもりでしたが、いざ実践となるとなかなかです・・・。
ただ、一方で待つことの大切さを感じたエピソードがあります。それは、子どもが補助なし自転車に乗れるようになった時のことでした。近所の子は、幼児のうちに乗れるようになっていたので、自分の子にも同じ年齢の頃、補助なし自転車の練習に誘いました。自転車に乗ることは好きでしたが、「補助なしに乗りたい」という気持ちはあってもそこまでモチベーションが高くはなかったようです。何度も挑戦しましたが、うまくいかず、次第に誘いにのってこなくなりました。あまり無理に誘っても逆に自転車が嫌いになってしまっては困ると思い、しばらく誘うのをやめました。
ある時、テレビアニメで自転車に乗る練習をしていた子が、乗れるようになったシーンを見て、子どもが自ら「補助なし自転車に乗りたい」と言ってきたことがありました。どうせまた、諦めてしまうのではないかと心配しましたが、なんと数時間練習してその日に補助なし自転車に乗ってまっすぐ走ることができたのです! そこからは、自信がついたのかみるみる上達し、1週間で乗れるようになってしまいました。
次男の時もこちらから補助なし自転車に誘った時は、長男の時と同じでした。ところが、ある時、次男から「乗りたい」と言ってきたので練習を行うとその日に感覚をつかみ、二日目にはまっすぐ走ることができました。子どもの中で「補助なし自転車に乗れるようになりたい!」と強く思ったからではないでしょうか。
これらの経験から、子どもが自らやりたいと思うまで待つことの大切さを実感できました。ただ、毎日の生活は慌ただしいことに変わりはありません。分かっていても「はやくして」「いそいで」と言ってしまうことがあります。しかし、子どもが補助なし自転車に乗れたことは私にとっても貴重な経験になったので、何かの時にふと思い出し、「今はとにかく子どもを信じて待とう」と思える時があります。
待つことの“難しさ”と“大切さ”、日々葛藤しています。
(ライター:おーやん)
桐生市在住、3児のパパ、社会福祉士。障害児施設に勤務しているほか、桐生イクメンプロジェクトなどにも積極的に携わる。自身の経験から、「地域×パパ×子ども」の関わり方について模索し、現在は「ぱぱのBAきりゅう」にも参加中。趣味は一五一会とダイエット!