私は、仕事や子育てを通して感じていることがあります。それは、その人の性格を作る上で兄弟(姉妹)関係が大きく影響しているのではないかということです。
特に興味があるのが、3人兄弟(姉妹)の真ん中、次男次女と言われる人です。私の経験から次男次女の方は、発言力や人間関係調整力に優れている場合が多いように感じます。「それは、どうしてなんだろう?」とずっと考えていました。私は、三人兄弟の長男だったので下からのプレッシャーはあっても、上からはありませんでした。また、上を目標にしたり、頼りたいといった気持ちになったこともありませんでした。
しかし、就職した時には大先輩がたくさんおり、仕事を通して1年目の時は三男の気持ちが少しわかり、年数を重ねていき自分が先輩になっていく中で次男の気持ちも少しわかったような気がしました。ただ、次男や3男の気持ちに近づけたと思っても大きく違うのは、私が感じたのは大人になってからだということ。それに職場と家族では環境が大きく異なります。
次男次女は、兄姉がいるため、生まれた時から親の愛情を独占できたことがありません。しかも弟や妹が生まれれば親の愛情や周囲の関心はそちらに向いてしまいます。まだ、幼くてたくさん周囲からの注目されたい時期なのに、その気持ちは満たされないまま注目されなくなります。そればかりか弟や妹がいるため、兄姉であることを求められてしまいます。
だから、良くも悪くも自分をアピールするようになり、長男長女という目標に立ち向かっていく強さが身についていくのではないかと自分の子育てを通して強く感じるようになりました。それが、積み重なり、結果的に発言力や人間関係調整力に優れていく傾向になっているのではないでしょうか。
今までは本で読んだり、イメージでしか兄弟間の立場の違いを考えることはできませんでした。しかし、今は実際に目の前で3人の子どもを見ることができるので、より理解できるようになりました。
ただ、難しいのはそうと分かっていても対応に困ることがあります。例えば、次男と3男が同時に泣いて抱っこを求めてきたら……。きっと3男を優先的に抱っこしてしまうでしょう。そして次男がなんで3男ばっかり抱っこするのかと指摘してきたら「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」と言うでしょう。しかし、次男は好きで兄になったわけではありませんし、幼い頃は他がよく見えます。もしかしたら次男は長男や3男の立場をうらやましく思っているかもしれません。そこに「お兄ちゃんなんだから」と親に言われたら結構キツイかもしれませんね。
毎日の慌ただしい日々を考えると、子ども1人1人の気持ちに寄り添ってあげられないことの方が多いでしょう。そんな時は、パパの出番だと思います。ママが3男に対応しなければならない時、パパが積極的に兄2人と遊んだり、話しを聞いたりすれば子どもも心が満たされるのではないでしょうか。
兄2人も3男を中心に物事が決まってしまうことは仕方がないと理解できますし、3男を可愛がることもできますので、子ども1人1人の気持ちに夫婦で協力して寄り添うことが大切だと思います。そうすれば自然に子どもたちが自分の立場を受け止めながら成長していけるような気がします。
親は兄弟に気持ちの差をつけないように意識しながら、でも、できていな部分を夫婦で個々に関わりながら補っていくことで「だんご3兄弟」のような仲良し3人兄弟になってくれたらと思う今日この頃です。
(ライター:おーやん)
桐生市在住、3児のパパ、社会福祉士。障害児施設に勤務しているほか、桐生イクメンプロジェクトなどにも積極的に携わる。自身の経験から、「地域×パパ×子ども」の関わり方について模索し、現在は「ぱぱのBAきりゅう」にも参加中。趣味は一五一会とダイエット!