子どもは『やってわかる』ひとだから|おもちゃコラム

子どもは、自分でなにかをやってみてはじめて「わかる」ひと

kumitatekugeruban(リサイズ)

 

子どもは、自分でなにかをやってみてはじめて「わかる」ひとです。
見たり触ったりしなくても、「聞いてわかる(実際にやらなくても、見聞きするだけでイメージできる)」ようになるのは、小学校の高学年くらいから。赤ちゃんの頃から子どもは、モノをお口で調べ、いっぱい触って、いろんなことを試しています。

 

 

赤ちゃんの頃は、お口でモノを知ります。
つるつる、ザラザラ。
やわらかい、かたい。

ちょっと大きくなると、ベロより手のほうが器用になるので、手と目でモノを知ります。

重い、軽い。
大きい、小さい。

球や曲面のものは、すぐ動く(転がる)。平面でカクカクしているのは、動かない。
でもカクカクのほうは、積める。球や曲面のは、積めない。

 

 

もっと大きくなると、あそびのなかでモノを順番に並べたり、色や形のなかまで分けたり、対称にしたり、数を意識したりします。生活のまねごとである「ごっこあそび」を通じて、生活の中の日常をつくる「あたりまえ」を追体験していきます。

 

 

だから、あそびを通じた体験や日常生活をきちんと経験してきた子は、「ものは高いところから低いところに転がる」ということを知っている。橋をかけるためには、橋の下ぜんぶに台を入れなくても、柱が2本だけあれば大丈夫なことを知っている。(5歳さんでもわかっていない子が少なからずいます。知る機会がなかったことが、とても残念で悔しくおもいます。)

子どもにおもちゃが必要な理由

子どもは、自分の手を動かしあそぶことを通じて、自分のちからで「もののありかた」や「ものの道理」を知っていきます。具体的な「体験の知」をたくさんたくさん積み重ねていくからこそ、大きくなるごとに「聞いてわかる(見聞きするだけでイメージする)」が、できるようになります。

 

 

もっと現実に即すと、小学校からの勉強がそう。
小学校では、文章を読んで何を伝えているのかをイメージしたり、紙に描かれた数や図を理解して学びます。あの学習にすっと入っていける基礎力を育むものが、あそびのなかはにたくさんあるのです。

べつに、知育をしようといっているのではないですよ。
子どもは「やってわかる」人。自分のちからで分かるのが何よりうれしいし、自信になっていきます。だから、いろんな体験と試行錯誤を存分にできる道具=よいおもちゃたちを、いつでも自由にあそび、体験し、考えられるように、子どものそばにあるととてもうれしいなと思うのです。

 

 

子どもだけじゃなくて、大人もそうですよね。趣味のことなんて、ほんとうにそう。興味をもって、面白がって知ったり分かったりすることがいちばん楽しいし、なにより身につくこと、あなたも知っていますよね^^

 

 

ライター: 高橋美樹(あそびとおもちゃの専門店「木のおもちゃと手仕事屋かばんねこ」 店主)
「おもちゃ」を通じて赤ちゃんからお年寄りまでの教育・福祉・医療にかかわる「おもちゃコンサルタント」の資格をもつ。
日々笑い、また、日々子育てに悩む2児の母。