授かった新しい命。お腹の中で赤ちゃんが育つとともに、多くのママが悪阻を経験するのではないでしょうか。「それはもう壮絶な悪阻だった」という方がいれば、「まったく悪阻なし!」という方もいますね。悪阻の程度は人によって異なり、同じ女性であっても妊娠するごとに毎回違うようです。
わたしの場合、妊娠5週目とかなり早い段階から悪阻がはじまりました。最初は胃のムカムカ・だるさ・眠気だけでしたが、徐々に食べ物を受けつけなくなりました。「何も食べないと赤ちゃんが成長しないのでは!?」と心配に思いましたが、「母体が今は必要としていないだけ」という医師の心強いアドバイスにより、受け止め方が変わりました。それからは食べたいと思うもの、飲みたいと思うものを、無理なく摂るように心がけました。
胃のムカムカがひどいときは、もっぱら「炭酸ドリンク」「ところてん」「果物ゼリー」などのあっさり系。キッチンに立って包丁をもつことさえ辛かったため、手を加えずにすぐ食べられるものを常備していました。また、果物や果汁100%ジュースは強い味方でした。果物は、少しつまんだだけでも水分と糖分を摂れるのでオススメです。
その後は、カレーやジャンクフードを無性に食べたくなる日もありました。妊娠中は食の好みがコロコロ変わるのは珍しくありません。妊娠前にもともと母体が蓄えていた栄養分で、初期の赤ちゃんは育つようなので、食べ物の偏りは気にしなくてOK。悪阻がおさまり食欲がもどるまでは、食べられるものを無理せず摂るようにしましょう!
また、「何かしら口にしていないと気持ち悪い」という「食べ悪阻」タイプもいます。空腹になると気分が悪くなるようです。このタイプの場合、3回食ではなく食事を複数回に分け、少量ずつ食べる工夫をするとよいようです。このタイプだった友人は、外出時には飴を持ち歩き、食間になめていました。これは仕事中の食べ悪阻にも役立ちそうです。
ひどい場合、食べたものをすべて吐き出してしまうことすらあります。体力も奪われ、本当につらい状況です。妊娠してうれしいはずが、「なんでこんなに辛いの?」「いつ楽になれるの?」そう思うことが正直ありました。そんな状況でも検診へ行くと、わが子はすくすく育っていて。悪阻中は、検診のたびに元気と勇気をもらっていたように思います。この吐き戻しが長くつづくと、点滴が必要になる場合があります。もっと深刻になると入院する妊婦さんもいます。あまりに辛いときは、医者に相談してみましょう。
また悪阻は食べ物に関することだけではありません。これまで平気だった「におい」や「乗り物」を受けつけなくなることがあります。そんなときは、嗅ぐと気持ち悪くなる料理は避け、マスクをする。揺れを感じる電車や車の運転はできるだけ避ける。最終手段は、とにかく横になって休むことです。何もしないでゆっくり過ごす、これがいちばん大切です。すべて自分でやろうとはせず、夫や家族にお願いできることがあれば、協力してもらいましょう。
そして、体調がよいときは気分が晴れるようなことをしてみましょう。わたしは、近所を散歩したり、友人と連絡をとったり、横になってお笑いのテレビを見たりして、リラックスしていました。
悪阻は必ず終わります。「ツライな」と思ったら、「悪阻は必ず終わる」ということと、「赤ちゃんがちゃんと育っている証拠」だと思って乗り切ってくださいね!
(ライター:竹村明子)